ロゴスと巻貝
小津　夜景　著
アノニマ・スタジオ
2023

小津さんとのお取引の始まりは「フラワーズ・カンフー」。
丁寧なメールだった。勇気を出して、なんて、こんな極小本屋にそんな勇気なんてそんな使わなくていいのに・・とひどく恐縮しながら返信をした。フランスから軽やかにまっすぐ届いたあの一冊が嬉しかったこと。

愛媛の実店舗を閉じ、バタバタと浜松市に引っ越している間にアノニマ・スタジオさんから本が出ていた。出版社が変わると本の趣も変わる。小津さんであって小津さんでないような。いや、そもそもそんなに知っているわけではないのだけど、なんだろう、なんだか今までの小津さんとは違うような、、と思いながら字面に入り込んでいたら、今までの小津さん像が溶けてきた。

自分があの本を開いた時の印象、読み終えた時の高揚した気持ちをぴたりと言い表されたくだりがあった。いいなぁ。小津さんの表現の深さにはため息が出る。

きっとあなたの"読書したい気持ち"、ほかの本に走りたい、といよりは小津夜景さんの文章をもっと読みたい、という気持ちが走り出します。

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