長い道

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長い道
宮崎かづゑ
みすず書房
2012年 刊行

宮崎さんの文章はどうしてこんなにも心に深く残るんだろうか。温かくて、幸せに満ちていて、それでいて、あとがきに記された「すべてがいとおしい」といつ言葉に嘘偽りはないのだろうけど、国による隔離政策という歴史を思い、胸がぎゅっと苦しくなる。続編の「私は一本の木」とあわせて広く読まれてほしい一冊です。

以下、出版社からの紹介文です。

家族の愛情に包まれて過ごした幼少期。ハンセン病発病によって故郷を離れ、孤児のような気持ちで過ごした少女時代。『モンテ・クリスト伯』を読みふけり、大海原に心遊ばせた十代。夫のために料理をし、ミシンをおぼえ裁縫に精出した日々。心の支えだった親友の最期。遠い道のりをいつまでも会いにきてくれた母への思い。故郷の暮らしを細やかに綴った「生まれた村で」、長島での日々を語る「島の七十年」(聞き手・伊藤幸史神父)、親友の看取りの記「あの温かさがあったから生きてこれたんだよ」(『愛生』連載)他を収録。著者の生き方と言葉に深くうたれ、交友がはじまった料理研究家・辰巳芳子さんとの対談「生きなければわからないこと」を巻末に付す。

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