ここに素敵なものがある

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ここに素敵なものがある
リチャード・ブローティガン　著
中上哲夫　訳
百万年書房
2023

ブローティガンの新訳詩集が出ました！
「リチャード・ブローティガン詩集　突然訪れた天使の日」(中上哲夫・訳／思潮社／1991)に収められた詩を全面的に改訳されたものです。
ブローティガンの著作のほとんどは藤本和子さんの訳で読むことができますが、それらはもちろん素晴らしくて、たちまちブローティガンの虜になってしまう(私もその中の1人)魅力に溢れていますが、ケルアックやブコウスキーをも訳されている中上さんの訳・・！というのもまた嬉しいのです。
訳者の中上さんが再三詩人にとっては伝記は無用だと言う意見もあるが私はそうは思わない、とおっしゃっているように、確かにブローティガンの生い立ちや晩年の様を「あとがき」で知ったでは、これらの短い詩が、その短さが、その表現がより沁みてきます。

ブローティガンの詩がこの詩集の大きさ、軽さとマッチしており、雑踏では掻き消されてしまうに違いない静かな声で紡がれる詩の数々が無理なくそっと綴じられていて。作り手達のブローティガンへの愛が感じられる一冊です。